実店舗 福岡県うきは市吉井町桜井59-1 定休日 水曜・木曜(不定休有) 営業時間 12:00〜17:00 tel:0943-75-5664
|
私どもは、福岡県うきは市という筑後川沿いの小さな町で夫婦二人でお酢造りを営んでおります。ここうきは市を含む筑後地方は、広大な筑後平野や水量豊かな筑後川、なだらかな斜面の耳納連山等、農業に適した地の利を生かし、穀倉地帯としてだけでなく、フルーツの産地としても有名です。 ちくごの恵みである果物をゆっくりと時間をかけて醸し、様々な種類のお酢や調味料の開発・製造に取り組んでおります。 私は、とある酢屋に生を受け、工場の横で育ちました。大学卒業後、家業を継ぐ一人として生家にて酢造の修行を始めました。酢造を学び、研鑽していくうちに、酢造への興味と情熱が膨れあがり、それまでの仕事だけでは物足らなくなってまいりました。 もっと色々な酢や美味しい調味料を造りたい、との思いから、2006年に独立を決意し、ここうきは市に居を構え、酢造や酢を使用した数々の調味料、コンフィチュールの開発に取り組んでまいりました。 最近、お酢を、健康飲料のように飲まれる方が増えていらっしゃいます。それはもちろん手軽さもあり、すばらしいことです。しかし、やはり酢は古来より調味料。家庭でみんなで食卓を囲むとき、もっとお酢を取り入れて家族みんなで美味しく健康にすごしていただきたい・・・。 しかしながら、一方でご家庭での酢のご利用が少なくなっているのも事実です。そこで、私は、酢を造りながら、ご利用の方法をお客様にご提案していける場も設けたいと考えました。 それが、『スー』です。 工房に併設の店舗では、使用法の説明、ご試食をしていただきながらお好みの果実酢や調味料を選んでいただけます。贈り物などのご相談もお気軽にどうぞ。 カフェのメニューにも全て当店の酢、調味料を使用しております。 当店で仕込みに使う葡萄や桃、いちじくなどの原料は、近隣の生産者の方たちが手塩にかけて育てたものです。お店には並べられない、少々キズがあるもの、樹上完熟してしまい物流に乗せる間に腐敗してしまうものなど、これらは市場に出回るものと同等、もしくはそれ以上の美味しさを有しているのに流通にのせにくい完熟の果実をつかって、酢に仕込みます。そのため、数量に変動があり、売り切れ次第終了になってしまいますが、味の良さは折り紙付です。 当店のある、うきは市吉井町は「良い井戸」という名の由来を持つ、名水の町です。酢の仕込には、名水が必須条件であるため、この水なくしては仕込ができません。また、吉井町には、名水を利用した製麺所や醤油屋さんなども多く、江戸時代の町並みが残る「白壁通り」を歩くと、たくさんの美しい水が流れる水をが目に付きます。 酢は、糖分をアルコール分解し、できたアルコールを酢酸発酵させ、酸に分解したものです。酢酸発酵の方法もいろいろありますが、当店の酢は、「静置法」と呼ばれ、果実を酵母菌を使ってアルコールにし(この時点では、フルーツワインです)、できたアルコールに自家培養した酢酸菌を植え付け、更に毎日様子を確認しながら、ゆっくりと時間をかけて酢にしていきます。 そのため、早いもので3ヶ月、通常は半年から一年と、発酵にとても時間が掛かるものです。 酢は時間をかけ発酵させる事で深い味わいを増し、柔らかな酸味を醸し出します。 仕込んでからアルコール発酵、酢酸発酵と進んでいく中、毎朝発酵の状態をチェックし、タンクごとに必要な処置(手入れ)を行います。どのタイミングで、どの処置を行うかは、杜氏が長年の修行で身につけた技術と日々の努力の賜物です。
|